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各メディアでの報道に関する補足

2013年4月11日

三本松です。

 

一昨日、昨日と、WEBニュースやテレビなどで多数報道されご存じの方も多いことと思います。

また、報道で使用された写真を見て疑問に思われた方も多数おられますので、その件についてお知らせします。

 

報道では

「大阪府警生活環境課は、美容師法違反と業務上過失傷害で大阪心斎橋のエステサロンオーナーを逮捕」

「まつげエクステ無免許営業で初めて逮捕者」

といった見出しで出ていました。

 

同エステサロンは美容所登録をしており、美容師がおり、オーナーは美容師免許を持たずに施術していたとのことです。

在校確認はしておりませんので未確認ですが、オーナーは美容学校に通っていたという証言もあります。

 

現状、美容業界の方なら施術を消費者に提供する場合、保健所への届け出、美容師免許が必要であることは皆さん理解されておられることと思います。逮捕されたエステサロンオーナーも美容師免許の必要性を知っていたかもしれません。

 

今回の場合、消費者の方に「独自の施術方法を提供されていた」ということが複数の方から聞いております。実はこのエステサロンに関しては2月から複数回テレビで放送されていました。

 

しかし、テレビなどの報道では「どういう施術を行ったことによってそうなってしまったのか?」は詳細に紹介されていなかったため、松風にも私個人にも電話やメールで多数問い合わせをいただいております。

 

以前なら「美容師でないと施術できないのですか?」「美容所登録は必要なのでしょうか?」という質問もありましたが、最近はそういう質問はほとんどありません。

 

今回も背景や経緯という部分よりも「どういう施術であったのか?」を参考までに教えてほしいというご質問が中心です。

個別の電話やメールでは短時間に多くの方にお知らせすることが困難であるため、より多くの方に情報をご提供する必要があると思い、このブログにその部分に関して記すことにしました。

 

具体的には、

「消費者の方に角膜炎や結膜炎を負わせた施術方法とはどういうものだったのか?」

「独自の最新技術を提供しているというキャッチコピーだったようですが、それはどういう方法だったのでしょう?」

こういったご質問を中心にいただいております。

 

先般の松風公認エデュケーター試験の追試に参加いただいた方に限っては、概ねそれがどういったものであったのかマネキンで実演してご説明も申し上げましたので、ご記憶いただいていると思います。

 

複数本が束状になったフレアタイプの毛は好んで使う技術者も少なく、民間のスクールなどでも積極的に使用が推奨されるようなことはありません。 束になっているため細部まで綺麗に施術できないということ、1本外れると大きな隙間が生じる、メンテナンスが面倒だから、といったことが大きな理由です。

 

安全性、持続性、美しさの観点から

日本のまつげエクステの施術方法は「1本の地まつげに1本の人工まつげをグルーで接着する」これが定番です。

更に、優れた知識と技術を持つ者がつける場合、毛穴から2ミリほど離れた扇状に人工毛が整列し、コームブラシで梳かせるのです。

技術をマスターした人の増加に伴い、それも今や普通とされているのでPRできるほどのことではありません。

 

しかし、今回の場合は

 

①フレアタイプの毛にグルーをたくさんつける

②地まつげに対しても複数本で接着する(地まつげ対複数本対束状の人工まつげ複数本を接着)

※この際、まつげの上(表側)からと裏側の両方から接着することでサンドする。

 

写真で見たところ「グルーとグルー、地まつげとフレア束毛、それぞれが上から下から絡ませる」という施術です。

 

必然的に「外れにくい、まつげに負担がかかる、抜けたまつげが外れない、その状態が従来のまつげエクステよりも持続するということになるとまつげの代謝に悪影響を及ぼす可能性もある、その状態で目をこすると眼に傷がつき雑菌が入り炎症を起こす可能性が高まる、施術を受けた消費者が不快に思う時間は多いと考えられ短期間でメンテナンスしなければならないと考えられます。

 

ある意味長期間外れません。

オイルクレンジングなどまったく関係なく、リムーバーでも簡単には外れません。

もちろん、その状態でマスカラやコームブラシがかろうじて通るということもありません。

 

また、写真の状態を確認すると、大量の毛が交差してくっつき、更に大量のグルーで接着されているため、まつげ全体が「固い1枚物の板状つけまつげ」のような状態になっています。

 

施術後、適度に硬化を促進させていなかった+グルーが重ね塗りに近い状態になっている=グルーの表面硬化後にグルーの内面が硬化しにくい。(まつげエクステのプロ用グルーは空気中の水分を硬化開始剤としている。)

写真で明らかですが、透明な部分の乱反射によって白っぽく見えている部分も多少はありますが、施術当日に硬化できなかったグルーが、急激に水分に触れた際に起きる白化現象状態がおきています。

 

大量のグルーと大量のフレアタイプの毛が、上から下からまんべんなく接着されているため、通常のまつげエクステとは違い長期間外れないことが予想されます。それはメリットにはならず、トラブルを引き起こす原因となると容易に考えられます。長期間、地まつげもフレア毛も外れない状態が続くので「安全で綺麗とは誰もが思わない」でしょう。

 

その状態で放置すると「抜けて代謝すべき毛を、まつげ付近にぶら下げてしまい、日常生活の中で眼球を傷つける」などということも予想されます。

 

通常、少量のグルーで接着し、少ない本数を接着するフレア。

それゆえに地まつげが自然に抜けた時に一緒に外れるように施術すると1つ外れただけでも大きな隙間が生じます。

よって「良い状態をキープするのは困難」であるため施術を受けた消費者にも店側にも一般的なまつげエクステと比較すると逆に手間がかかります。

 

皆さんも恐らく、報道で紹介された被害者の方の写真を見ると、その装着状態で「眼がかゆくてこすった」とするとそれだけで眼球に傷がついて雑菌が目に入り炎症を起こすということになると予想されるのではないでしょうか?

もちろん、まつげエクステの装着技術を学んでいる人なら目の病気になるだろうということは容易に予測できるはずです。

だから、そういう施術をされることはないと思います。私たちもそう思っていました。

そういう部分では私たち業界の常識を作っているとくにメーカーにも過失があるはずです。反省し、同様の事がないように最善の方法で改善しなければなりません。

 

しかし、「リスクの可能性に関することや、リスク回避のための道具の使い方などを何も勉強せず、いきなり技術トレーニングを始めて、開けても暮れても技術トレーニング、そして施術を行う」とすれば、まったく知識面を学ばずに施術を始めるとしたら、こういったことが起きてしまう可能性は否定できません。

これが事実だと言われても「本当にこのような施術をそのオーナーがしていたのか?」と疑問に思ってしまいます。

しかし、誰にも教わらず、誰とも情報交換すらすることなく、まつげエクステの施術の基本と言うものをまったく知らずに「これが私流の新しいまつげエクステ」と思ってしまったら誰かがそれを発見するまで止めることができないでしょう。

 

あの被害者の方の写真を見られた業界関係者の方なら100人中100人が「これはまつげエクステではない」と思うのではないでしょうか?または「あのような施術を提供するはずがない」と思われたのではないでしょうか?何かの間違いでは?と思われる方もおられたことでしょう。だからこそ背景を明確にするために施術をしたオーナーが逮捕となったのだと思います。

 

同様のトラブルがおこらないようにするために急がれるのは「まつげエクステの施術の定義」です。

 

①製品の使い方に関する説明に想定外の部分も回避できるようわかりやすく追記、可能な範囲で販売を制限する

②道具の正しい使用方法を説明する説明書の延長でもある「プロ育成マニュアル」をよりたくさんの方にご覧いただけるよう

無料配布する

③FCチェーンやスクールの管理者などに試験等を実施し「トラブル事例」に関する知識をもっているかどうか確認する

 

そして、「まつげエクステの知識をつけていただく」そのためにまずは「知識を持っている方に習っていただけるように、一定水準の知識を持つ有識者に教わるように」と現在と今後の施術希望者を誘導していくことを継続的に取り組みます。

 

もちろん、トラブルが起きにくい道具に関する情報発信や規制についても進めております。

それらメーカーのメーカーによる規制に関しては「いわゆるコンペジターが集まって」メーカー連合会という名のもとで協議しております。

 

それぞれ効果があると考えておりますが、繰り返し確認しながら更に理想的なトラブル回避方法があれば直ちに実行していく考えです。

 

以上、補足お知らせとご報告まで申し上げます。

 

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