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まつげエクステのグルーに関する基礎知識を再確認する・教科書更新【試験対策に】

2019年9月25日

マーケティング担当 兼 ラグビー担当 の宮本です。

 

今年11月19日に開催させていただく松風公認エデュケーター試験、マツエク講師の方々を対象とした年に一度のこの試験で、出題される設問を大幅にアップデートいたします。設問は、基本的にマツエクの基礎知識をギュッと詰め込んだ「マツエクの教科書」を元に作成されます。今回は、P10-13の更新情報をお知らせいたします。

まつげエクステで使用する専用のグルー(プロ用接着剤)

グルーの役割

まつげエクステ専用グルー(以下、グルー)は、まつげと人工毛を接着することを目的としたものです。グルーは種類によって、粘度やセットタイムなど操作性が異なります。施術環境に適したグルーの選択と共に、施術時には十分に使い慣れたグルーの使用が求められます。

グルーの種類

グルーは施術環境によって硬化反応に差異が生じます。 室内温度・湿度の影響を受ける他、カラー剤のアミン成分に係る室内アンモニアガス濃度、パーマ剤のアルカリ成分に係る室内アルカリ濃度の影響も受けることから、先ずは、施術環境に合わせたグルーの選択が必要となります。 専門店での施術あるいはヘアサロンでの施術、いずれの施術空間での使用を目的とするかにより、それぞれ専用のグルーを選択します。揮発物質の発生収束時間の短縮、就寝前の洗顔についての時間制約を緩めることにより、目元トラブルリスクを軽減し、更に安全なサービスを可能とするため「完全硬化約2時間以内」のグルー選択が理想的です。 更に、グルーの安全性について、顧客にも根拠を示しての説明がしやすいという点も踏まえ、業界自主基準適合品の選択を強く推奨します。

グルーを構成する成分例(主成分は一般的にシアノアクリレート)

接着成分 ・・・ シアノアクリレート(通常80%以上配合する主成分)

増粘成分 ・・・ アクリル樹脂(粘度・硬化速度調整として微量配合)

着色成分 ・・・ カーボン等(着色・強化として微量配合)

※主成分がシアノアクリレートではない場合は、何が主成分かを必ず調べなければなりません。

シアノアクリレートとは

瞬間接着剤という名称で幅広く使用されている接着剤の主成分です。シアノアクリレートには種類があり、その種類によって使用用途は異なりますが「工業用・医療用・一般家庭用」として様々な場面で使用されています。

※まつげエクステは、まつげの根元から1〜2mm程度離して装着するのが基本です。(※学生や初心者は、トラブルを未然に防ぐため、まつげの根元から2mm程度離しての装着を推奨します。)見た目が綺麗だから、あるいは持続性が上がるからという理由でこの基本を無視してはいけません。まぶたに近づけすぎることにより、グルーがまぶたに付着する可能性が高まります。また、グルーや人工毛の根元を粘膜付近に近づけすぎることによって、かゆみや発疹、赤み、腫れなどの炎症が起こり、トラブルに発展する可能性が高まるということを強く認識しておかなければなりません。

グルーに関する注意事項

まつげエクステ専用グルーは肌につかないようにまつげと人工毛を接着するものです。 まつげエクステで起こるトラブルの多くは「毛穴、粘膜ギリギリに接着する」という装着時の失敗や間違った知識によるものです。また、グルーが付着したツイーザーをそのまま使用すると操作性が悪化、皮膚にグルーが付着する原因ともなりますので、十分注意してください。

一般社団法人日本まつげエクステメーカ-連合会について

松風も加盟している一般社団法人日本まつげエクステメーカ-連合会とは、日本のまつげエクステ施術ツールを製造販売するメーカーを本会員とし、まつげエクステ関連各社で結成する業界団体です。まつげエクステンションの健全・安全な普及のため「道具商材の安全性追及・知識技術の向上・業界自主基準の構築」を行い、日本と世界のまつげエクテンション産業の発展促進を目的とします。また、まつげエクステンションの安定的な長期継続のため、消費者保護のための「技術・知識・商材」を追求します。その為の業界ガイドライン統一活動を経てまつげエクステンションの健全な発展に貢献していきます。

業界自主基準(一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会規則)

①ホルムアルデヒド試験に合格している

②ヒト皮膚一次刺激性試験に合格している

③主成分にメチルシアノアクリレートを使用しない

④使用期限を表示する

まつげエクステのトラブルを起こさないために最も大切な「グルー」の知識向上を図る

・グルーは、まつげエクステで最も注意が必要な道具のひとつです。グルーは種類によって操作性が異なりますが、技術者は基本的に2~3種類程度のグルーを使い分けます。少なくとも、刺激が苦手なお客様のための「低刺激のグルー」と操作性や持続力を追求した「速乾性のグルー」の2種類は、粘度などの特徴や主成分を知って使いこなさなければなりません。

・グルー使用時に多いトラブルは「毛穴にグルーが付着」「グルーのつけすぎ」「しっかり乾かさない」「劣化したグルーの使用」などが原因となり、まぶたがかゆくなる、腫れる、目にキズがつくといったものです。

・説明書にも記載されていますが「複数のグルーを混ぜる」「容器を移し替える」「専用のトレー以外に取り出す」「固まったものを溶かして使う」「使用期限を守らずに使い続ける」このようなことは絶対に行ってはいけません。

シアノアクリレートの種類を把握しておく

主にまつげエクステ用グルーに使用されるシアノアクリレートの種類は以下のとおりです。 ※保管は温度と湿度の管理が重要です。

エチルシアノアクリレート / シアノアクリル酸エチル

まつげエクステ用グルーに多用されている。 硬化速度が速く接着力も強いが、刺激、臭いがやや強い。 工業用・医療用・一般家庭用など幅広く利用されている。

ブチルシアノアクリレート / シアノアクリル酸ブチル

低刺激・低臭気 エチル系と比べて硬化速度は遅く、接着力もやや弱い。

エトキシエチルシアノアクリレート / シアノアクリル酸エトキシエチル

シアノアクリレートの中で最も刺激が少なくほぼ無臭。 エチルシアノアクリレートやブチルシアノアクリレートの刺激性や臭気が原因で引き起こる問題を改善するために開発された。エチル系と比べて硬化速度は遅く、接着力もやや弱い。

メチルシアノアクリレート / シアノアクリル酸メチル

シアノアクリレートの中で最も刺激が強く、皮膚や粘膜に近づけることは避けるべき主成分

※上記「特徴」に記載した内容は、まつげエクステ用グルーの主成分:シアノアクリレートの特徴を記載しています。

※上記「名称」以外にもシアノアクリレートは多くの種類がありますが、同じ物質名称や、あまり使用されていないものは省略し代表的なものを記載しています。

※メチルシアノアクリレートは、一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会の規定において、主成分としての使用は認められておりません。(メチルシアノアクリレートを主成分とするグルーの使用は避けましょう。)

シアノアクリレートの確認方法

シアノアクリレートの種類は、メーカーの説明書やSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)に表記されています。使用中、または使用を検討しているグルーの成分がわからない場合は、メーカーに確認するなどの対策が必要です。

シアノアクリレートの硬化メカニズム

まつげエクステ用グルーの主成分であるシアノアクリレートは、空気中の水分や被着物表面の微量の水分等(重合のトリガーとなる物質)によって増粘硬化が開始されます。通常、容器に入っているときは、液体の容量に対して空気に触れている表面積が小さく、増粘硬化しにくい状態ですが、容器から取り出し接着操作を行うことで増粘硬化が活発になり、全体が連鎖的に増粘硬化していきます。科学的にはこの硬化原理を「重合反応」といいます。また、施術空間(室内)におけるpHの関与(アミン・アルカリ等)で反応性が変わります。例えば、ヘアサロン内で使用されるヘアカラー剤の1液におけるジアミン、パーマ剤の1液におけるアルカリの影響によって、グルーの反応性が変わります。また、内装工事などでクロス(壁紙)を張り替えて間もない場合にも、クロス(壁紙)を貼る際に使用する接着剤によって一定期間、施術空間(室内)に放出される揮発成分の影響を受けることになります。シアノアクリレートの硬化に伴い、接着面やその周辺が白くなる現象が起こることがあります。これは「白化現象」と呼ばれています。 ※硬化とは、グルーが液体から徐々に固まり硬くなっていく状態のことです。

まつげエクステ施術時の理想的な室内温度

室内温度は、概ね25〜28℃が理想的です。

許容範囲としては、18〜28℃としています。

まつげエクステ施術時の理想的な室内湿度

室内湿度は、55%前後が理想的です。

許容範囲としては、湿度40~70%としています。

湿度が70%以上の環境ではグルーの硬化は速くなりますが、グルーの理想的な硬化と異なり持続性や強度が通常と比較して弱くなりますので注意が必要です。また、結露が発生しやすくなり、カビやダニの発生にも結び付きやすくなるため、衛生的側面からみても湿度が高すぎる状態は避けてください。逆に、湿度があまりにも低い状態では硬化に必要な水分量が少ないために、硬化速度が遅くなります。

まつげエクステ施術時の理想的な施術空間

グルーは、施術空間(室内)におけるpHの関与(アミン・アルカリ等)で反応性が変わります。ヘアカラーやパーマ剤に含まれるアミン系物質により、施術空間のアミン・アルカリ濃度が上がれば上がるほどグルーの増粘が早まり、装着が困難となる場合があります。十分な換気など空調管理を前提とし、理想的な施術空間とするための対応例は以下の通りです。

 

・ヘアカラーやパーマ剤を用いたヘアメニューの施術による施術空間のアミン・アルカリ濃度がまつげエクステ施術に影響を与えないよう、同時施術を行わない。

・ヘアカラーやパーマ剤を用いたヘアメニューの施術による施術空間のアミン・アルカリ濃度がまつげエクステ施術に影響を与えないよう、別空間で施術を行う。

・洗髪台(チェア)の排水口から多量のアンモニアガスが発生しやすいと考えられるため、まつげエクステ施術用としての洗髪台(チェア)の兼用は控え、専用チェアを使用する。

 

一般的なグルーでは装着が困難な施術空間でまつげエクステ施術を行う必要がある際の選択肢として、ヘアサロン専用グルーが開発されました。それぞれのサロンにおける施術環境に合わせて最も理想的なグルーを選択する必要があります。

まとめ:トラブルを起こさないためのポイントを整理

・使用するグルーに記載されている使用期限を把握し、順守する。

・夏や冬など温度・湿度の高低差が激しい時期は、特に室内の温度維持に注意する。

・保管方法など、グルーの取扱いには管理が必要なため、管理者を設けるなど責任の所在を明確にしておく。

・使用するグルーには「購入日・開封日・管理者の名前」を記載しておく。

・グルーの劣化は持続力低下や硬化速度の異常などの一番の原因となるため、頻繁に使用する場合は30日程度で新しい物に交換するのが望ましい。

※グルーの劣化とは、グルーの「品質や性能が開封前より低下している状態」のことを意味します。

 

 

 

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