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松風メディカルVo.1-角膜炎編

まつげエクステに纏わる目の病気―角膜炎編―

まつげエクステに関係する目の病気について紹介します。今回は「角膜炎」です。
そもそもまつげエクステをしていない人でもなってしまうことのある病気です。
あるサロンであったクレーム例
「目にグルーのついた人工毛が入ってしまったが気づかずに擦った。その後、目にコロコロとした異物感があったが放置しておいた。時間が経つとまばたきする度に痛みが出てくるようになった」これは、洗い流さずに擦ったことで角膜に傷がついてしまい、その傷口から細菌が入って角膜炎が生じたという事例です。
お客様から「異物感があるんだけどどうしたらいいのでしょうか?」という場合の対処は、お客様へのカウンセリング時の事前説明や施術後の一言で回避できたかもしれません。
「たくさんお客様につけてきたけどトラブルなんて一回も無かったよ」と言われる方のコメントを耳にしますが、「これはあくまでもプロとして万一のトラブル回避やトラブルの軽減に役立つ情報である」と考えて知識のひとつにしていただければ幸いです。

角膜炎について

角膜とは一般的に言う「黒目」にあたり、眼球の最も前面にある膜です。
一眼レフカメラにおけるレンズの役割を果たし、光をよく通すために透明な組織になっています。組織は大きく分けて外側から、上(外)皮・ボーマン膜・実質・デスメ膜・内皮の5つの層で構成されています。
■角膜炎の原因
角膜炎とは、角膜に炎症ができる病気の総称で、様々なものがあります。
原因は、微生物による感染、外傷、異物の侵入、化学薬品、コンタクトレンズの不適切な取り扱い、紫外線、免疫疾患などがあり、中には原因不明なものもあります。角膜炎の中で注意が必要なのが、角膜が微生物に感染して起こる角膜感染症です。

角膜感染症

角膜感染症は、細菌、真菌(かび)、ウイルスなどの微生物が角膜に侵入して炎症を起こす病気です。
角膜の表面は、空気中の異物をブロックする上皮によって微生物が簡単に進入できないようになっていますが、上皮に傷ができると細菌や真菌(かび)などに感染しやすくなり、炎症がおこります。このような角膜感染症を「細菌性(真菌性)角膜炎」と呼びます。
細菌性角膜炎は、角膜に傷がつきそこから細菌が侵入して炎症を引き起こす病気です。角膜に異物が入る、突き目などによる外傷、コンタクトレンズの装用、ドライアイなどによる角結膜疾患などが主な原因です。症状が進行すると角膜の実質にまで病気が及び、角膜の透明性が失われる「角膜潰瘍(かいよう)」を起こすことがあります。
■症状と治療
軽い症状であれば異物感、重症であれば目の痛みを覚え、その他には視力低下や白目の充血、涙・目ヤニの多さなどを覚えます。重症になれば角膜の一部が白く濁り、肉眼で確認できることもあります。原因となる主な細菌は、肺炎球菌、ぶどう球菌、緑膿菌などです。
治療には、初期のものなら抗菌薬の点眼、重症の場合は点滴を行います。

予防するために

目に異物が入った場合は、目を擦ると角膜を傷つける恐れがありますので、擦らずに洗眼してください。上皮には再生能力があり、小さい傷ならば修復することができますが、修復している間にそこから微生物が侵入し、感染症を引き起こす場合もあります。ちょっとした傷でも重症になることがあるので、目の痛みなどの症状を自覚した場合は早急に眼科で受診してもらいましょう。お客さまから「違和感があるのですが・・・」といった連絡があった場合も同様に、眼科医にご相談いただくことを勧めましょう。
実際にあった事例で、眼が痛くて涙が出てきたので眼科で診てもらった結果、ドライアイが原因で角膜潰瘍と診断された人。汚れた手で目を擦ったことで、手についていた目に見えない金属片が眼球に刺さり涙が止まらず病院に行った人。どちらの方も、つけまつげもまつげエクステも装着していませんでした。角膜炎は、必ずしもまつげエクステに起因するものではなく、日常生活でも起こり得るものです。
まつげエクステが原因か、別のことが原因か、明確には判断しにくいと考えられます。まつげエクステが疑わしいという顧客からの相談があれば、診断書を取っておいていただくことも検討しましょう。
原因が明確でない場合でも、身体の異常があるという相談を受けた場合、医師以外の人の判断は危険です。顧客から身体の異常のご相談を受けた場合、たとえそれが風邪の症状であったとしても素人には適切な対応がわからないため、それぞれの症状に合った専門医に診療してもらうようお勧めするのが最善ではないかと思います。

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