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松風メディカルVo.2-見落とさないで!まつげエクステとコンタクトレンズ-

見落とさないで!まつげエクステとコンタクトレンズ

総人口の半数は近視であると言われる日本人。当然、まつげエクステ施術を受けられるお客様の中にもコンタクトレンズ着用者は多くいらっしゃると思われます。そこで今回は、コンタクトレンズの問題点に着目しました。
Q:施術中、お客様にはコンタクトレンズを外してもらうべき?
A:コンタクトレンズは施術する前に外していただきます。コンタクトレンズケースやメガネを持参していただきましょう。

コンタクトレンズは、大きく分けてハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの2種類に分かれています。
下記はまつげエクステを装着する前にコンタクトレンズを外していただく理由です。
◆ハードコンタクトレンズ(以下、HCL)の場合
・HCLは、レンズの直径が角膜より小さいためレンズが動きやすく、目を閉じた時にずれてしまうことがある。
・HCLのレンズは固い素材であるため、未熟な施術者が瞼を押さえてしまった場合、眼球を傷める可能性がある。
◆ソフトコンタクトレンズ(以下、SCL)の場合
・SCLの素材自体がグルーの揮発成分を吸収してしまう危険性がある。また、揮発成分を吸収するとSCL自体も使用できなくなってしまう。
◆HCL、SCL共通
・コンタクトレンズの適切なケアができておらず、サロンに来店された時点で既に不衛生な状態となっていることがある。不衛生な状態によって引き起こされる目の障害の原因が、まつげエクステに起因すると誤解される可能性がある。

コンタクトレンズ障害について

近年、コンタクトレンズを原因とした目の障害が急増しています。角膜炎を併発するケースが多く、まつげエクステのトラブルと似ています。したがって、まつげエクステ施術後に発症すれば「まつげエクステをしたから?」という誤解も生まれかねません。
コンタクトレンズは、眼鏡に比べ像のひずみや大きさの違いがない、左右に視力差があっても視力矯正が容易である、視野が広く裸眼と同じように見えるなど、メリットも多く大変すぐれた器具です。しかし、非常にデリケートな物であり「高度管理医療機器」に指定されています。購入する際には、眼科専門医の処方が必要となり、定期的な検査を受けなければなりません。

コンタクトレンズ障害の原因

角膜は透明な組織で、血管がないため涙から酸素を取り入れています。コンタクトレンズにより角膜の表面が覆われると、涙の流れが阻害され酸素を取り入れることが困難になります。現在では、販売されているコンタクトレンズのほとんどが酸素透過性の高い素材で出来ていますが、どんなに性能の良いコンタクトレンズを使っていても、長時間装着すると酸素不足になることは否めません。酸素不足になった角膜は傷つきやすく、感染症にもかかりやすくなります。
コンタクトの種類では、ソフトコンタクトレンズ(以下、SCL)の方がハードコンタクトレンズ(以下、HCL)よりも眼障害が重症化する傾向があります。その理由として、角膜に傷がついた時、HCLの場合は痛みですぐに異常に気づきやすいのですが、SCLの場合は装着感の良さから異物感や痛みに気づきにくく、自覚症状が出にくいことが挙げられます。
眼障害の原因は酸素不足の他に、レンズの汚れ、アレルギー、機器による刺激、ドライアイなどがあります。また、医師の処方を受けずにコンタクトレンズを購入した、定期検査を受けていない、使用方法を守らないなどが該当する方はリスクが高くなります。

コンタクトレンズによる主な目の病気

◆角膜浮腫
角膜が酸素不足になると細胞の新陳代謝が阻害され、角膜にむくみが生じます。その場合はコンタクトレンズの使用を中止し、症状の強い時は点眼薬を使用します。その後はレンズケアと装着を適切に行うことに留意し、症状が繰り返す場合はコンタクトレンズの種類を変更することもあります。
◆新生血管
角膜には血管がありませんが慢性的な酸素不足に陥ると、周辺部から新生血管と呼ばれる血管が伸びてくることがあります。新生血管が生えるとその部分の透明性が失われたり、充血し異物感を生じたりします。睡眠時にもSCLを装着している人や、長時間の装着をしている人に多い症状です。
◆角膜上皮障害、角膜感染症
角膜の一番外側の層を上皮といい、この部分に傷がつくことを上皮障害といいます。主な原因は、慢性的な酸素不足やコンタクトレンズに付着した汚れです。上皮はさかんに新しい細胞が作られているので、コンタクトレンズの装着を中止すれば通常は数日で治ります。しかし傷から細菌などが侵入することがあります。角膜に微生物が付着し炎症を起こす病気を角膜感染症といい、重症になる場合もありますので注意が必要です。
◆角膜潰瘍
細菌などで、角膜感染症となり治療が遅れると、角膜上皮の内側にある角膜実質にまで障害が及ぶ角膜潰瘍を引き起こします。非常に危険な病気で、治療しても視力に障害が残ることがあり、失明してしまう恐れすらあります。
◆巨大乳頭結膜炎
コンタクトレンズの汚れが原因のアレルギーにより、上まぶたの裏側に乳頭というぶつぶつができ結膜炎が起こります。初期は自覚症状が無い場合もありますが、重症化すると乳頭が大きく(巨大乳頭)なり、かゆみ、充血、目ヤニ、コンタクトレンズがずれる、曇るなどの症状がでてきます。治療には、コンタクトレンズの装着を停止し、抗アレルギー点眼薬を使用します。

正しいコンタクトレンズの使用について

●コンタクトレンズの購入について
医師の指導と検査を受けた上で、販売管理者が管理する販売店で購入してください。コンタクトレンズの種類によってケア方法は異なります。必ず医師の指示に従ってください。
●レンズケアを行う
コンタクトレンズを取扱う時は必ず手を洗います。コンタクトレンズの消毒液はレンズを漬けておくだけでは十分な殺菌効果を得ることができませんので、やさしく丁寧にこすり洗いを行います。また、レンズケース自体も汚れが蓄積していることがあるので、水道水できれいに洗浄し乾燥させる、一定期間で新しいケースに取り換えるなどの配慮が必要です。
●定期検査を受ける
目に異常が起こっても検査を受けなかったために、症状が悪化するまで気づかないという事例は多くあります。自覚症状のまったくない病気でも、検査を受けていれば軽症の段階で発見することができます。目に異常を感じなくても医師に指示された間隔で定期検査に行くようにしましょう。
●カラーコンタクトレンズについて
カラーコンタクトレンズの中には、酸素透過性の非常に低いものや、コンタクトレンズ内の色素が角膜に害を及ぼすものもあります。医師の検査を受けずにこのようなレンズを購入している方は、取り扱いもずさんな傾向があるようです。カラーコンタクトレンズは発売された当初雑貨扱いでしたが、相次ぐトラブルから現在は「高度管理医療機器」に指定されています。したがって、普通のコンタクトレンズと同様慎重な取り扱いが必要です。

■トラブルを未然に防ぐために
常に安全で事故のないサロンを続けていくことは、顧客に満足いただくためにとても重要なことです。ご来店前の電話対応でコンタクトレンズ装着の有無を確認しましょう。コンタクトレンズを装着している顧客には施術前に外していただくこと、安全のため施術後約6時間は装着できないことをお伝えし、レンズケース、眼鏡をサロンまでお持ちいただきましょう。また、施術時は常に清潔な場所でコンタクトレンズを保管してください。

(病気説明監修:眼科専門医 医学博士 廣辻徳彦先生)

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