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松風メディカルVo.5-紫外線と目の病気-

まつげエクステに纏わる目の病気-紫外線と目の病気-

■はじめに
今回のテーマは業界で話題になっている「まつげエクステと紫外線の関係について」です。
昔は、「太陽の光を浴びて日焼けした体は健康に良い」といわれてきました。
しかし、最近では紫外線が及ぼす悪影響がようやく日本でも一般的に知られるようになって、夏の時期や晴れた日には、日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりと紫外線対策(UVカット)をする人が多くなりました。
紫外線は、シワ、シミ、肌のトラブルなど美容の観点で語られることが多いですが、健康にも影響を及ぼし、皮膚がん、紫外線アレルギーなどの皮膚の病気、そして白内障、翼状片などの「目の病気」をひき起こすと考えられています。今回は、紫外線に関する目の病気について解説します。

紫外線について

まずは、紫外線とは何か?について解説していきます。紫外線とは、太陽の光に含まれている電磁波の一種です。太陽は様々な光を発していますが、大きく分けると波長の長い順から「赤外線」、「可視光線」、「紫外線」の3種類があります。目に見える光は「可視光線」だけで、「赤外線」「紫外線」は目で見ることができません。
■紫外線の特徴
・紫外線は太陽の光の一部ですが、目で見ることはできず大部分が建物や衣服で遮断されてしまいます。
・季節や時刻、場所などによって紫外線の強さは変化します。季節では、6月から8月が最も強く、時刻では正午頃がもっとも強くなります。また、山など標高の高い所や、空気の澄んでいる場所は、紫外線を遮るチリや埃が少ないので紫外線量は多くなります。
・紫外線は地面で反射します。特に雪や砂、海などは紫外線を強く反射するので、日焼けしやすくなります。
・弱い紫外線でも長時間浴び続ければ、強い紫外線を短時間浴びた場合と同じになります。
紫外線のメリット
紫外線には様々なメリットもあります。
・紫外線を浴びることによって、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にします。
・紫外線は、細菌、カビ類などの病原菌に対して、殺菌・消毒作用があります。布団、洗濯物を天日干しにしての消毒や、医療現場での紫外線治療など、様々な場所に利用されています。
他にも晴れた日に外に出ると気持ちが良い、日焼けした肌は健康的に見えるなど、精神的に良い影響を与えるというメリットがあります。このように、紫外線は我々にといってメリットもデメリットもありますが、目にとっては次のようにデメリットばかりが目立ちます。

ここからは「紫外線と目の病気」について

■紫外線が原因の病気―紫外線角膜炎
紫外線角膜炎とは、強い紫外線を眼に浴びたときに、角膜(くろめ)の上皮が傷ついて炎症が起きる病気です。結膜の充血、涙目、時に激しい眼痛など症状を生じます。ほとんどの場合は、1日か2日で自然に治ります。雪山などでは、紫外線が雪で反射して通常より多くの紫外線を浴び、目を痛めることがあります。これは「雪目」と呼ばれる紫外線角膜炎の一種です。電気溶接の際にも注意が必要です(電気性眼炎と呼ばれます。)

紫外線に原因があると考えられている目の病気

◆翼状片
翼状片とは、角膜の中央部に向かって結膜(しろめ)が3角状に侵入してくる病気です。たいていは鼻側から侵入してきますが、まれに耳側から侵入することもあります。原因は、紫外線を含めた外的刺激によると考えられています。自覚症状には、充血と異物感があり、ある程度の大きさになれば鏡で自分の目を見て確認することができます。
翼状片は、悪性ではないので小さいものならば放置しても大丈夫ですが、角膜の中央付近まで侵入すると乱視を引き起こして視力に影響を与え、中央部に達すればさらに視力低下が進行します。充血や異物感などの症状だけならば点眼薬で軽減しますが、症状が進行する場合は手術での切除が必要になります。
◆白内障
眼の中には、水分とたんぱく質で構成された水晶体と呼ばれるところがあります。水晶体は、カメラで例えるとレンズにあたり、眼に入った光を通し網膜面にピントを合わせます。白内障とは、その水晶体が何らかの原因で濁ってしまう病気です。
ごく初期のうちにはほとんど自覚症状はないのですが、次第にまぶしさを感じたり視力低下が生じたりします。進行すれば眼鏡をかけても矯正できないくらいに視力が低下します。白内障は、通常10~20年以上かけゆっくりとしたペースで進行します。多くの場合は、同じような時期に両眼に発症しますが、進行に左右差が大きくでる場合もあります。白内障の原因で一番多いものは、「加齢」によるもので、加齢が進めば必ず白内障が生じてきます。他にも、外傷(眼の打撲、刺し傷)や病気(網膜剥離、糖尿病、アトピーなど)、薬の副作用(ステロイド)、喫煙、放射線などが白内障の原因となります。
どれほどの影響があるか確実にはわかっていませんが、白内障の原因として紫外線も考えられています。ほとんどの紫外線は角膜レベルで吸収されてしまうのですが、水晶体にも一部到達します。水晶体も紫外線を吸収し網膜を守っていますが、紫外線を浴び続けた場合、たんぱく質が変化して白内障になるといわれています。
一度水晶体が濁ると、治すことができません。点眼薬や内服薬で水晶体が濁るスピードを遅らす治療がありますが、元の状態に戻し、視力を回復する効果はありません。白内障の症状が進行した場合は、濁った水晶体を取り除き、人工レンズを眼の中に挿入する手術をします。最近の白内障手術は医療技術の進歩により安全性が高く、体への負担も少ないものになっています。

まつげエクステ施術前に確認してほしいこと

■要チェック!お客様の目は充血していませんか?
お客様との会話中あるいはカウンセリング時、施術開始前に、お客様の目が充血していないかを確認しましょう。
※某有名サロンの事例:大手アパレル企業で営業をされている20代後半の女性が来店されました。今回、人生初のまつげエクステを楽しみにされていました。しかし、施術前のカウンセリング時にそのお客様の目が充血していたため、「充血しているので今回はお控え頂いた方が良い」と施術をお断りし、まずは眼科を受診いただくようご案内しました。後日、そのお客様からご連絡を頂いたところ、「充血をいつものことだと勝手に解釈して放置していたら、実は大変な病気だった」とのことでした。
※充血には、過去のメールマガジンや無償提供資料で公開したような色々な眼病が潜んでいる可能性があります。今回説明しているような紫外線以外にも、様々な原因で充血が引き起こされます。施術前には必ず目の充血を観察し、症状が強い場合には必ず眼科受診を勧め、すぐには施術しないように対応しましょう。

目の紫外線対策

サングラスを適切に使用することでかなりの紫外線をカットしてくれます。ただし、サングラスならばどれでも良いわけではありません。「UVカット加工」が施されたサングラスを選び、レンズの色は薄め、デザインは大きめの物を選びましょう。濃い色のサングラスは、光を取り入れようと瞳孔を広げてしまい、かえって多くの紫外線を浴びて逆効果となります。また、小さめのサングラスは、レンズの隙間から紫外線が入り込んでしまいます。サングラスの他に、帽子や日傘を併用するとさらに効果的です。最近の眼鏡やコンタクトレンズは多くのものがUVカット加工されており、それらを使用するだけでも十分紫外線対策となります。

まつげエクステは紫外線を防げる?

インターネットの個人ブログなどで、「まつげエクステやつけまつげには、UVカット効果がある」という情報が流れています。情報元は、テレビ番組というだけで、詳しい事はわかりませんでした。では、本当にまつげエクステにUVカット効果があるのでしょうか?
実のところ松風では、新製品の日本製人工毛を資料として専門の検査機関に依頼し、紫外線の試験をしました。試験内容は、まつげエクステの人工毛を隙間なく横に並べ「面」の状態とし、上から紫外線を照射するというもので、結果は、紫外線遮蔽率99%という興味深いデータが出てきました。たしかに人工毛の「素材」自体は効果があるようです。しかし、あくまでも「素材」の実験結果なので、実際にまつげエクステをつけたときの効果は明確ではありません。理由は、まつげエクステの装着本数やカールの形状などに大きな個人差があり、また、隙間なく埋めるということが実際には不可能だからです。考え方によっては「隙間なくまつげエクステを装着した状態で、まつげエクステの面にだけ紫外線を照射した場合については紫外線遮蔽率99%と言えるのかもしれません。まつげエクステのUVカット効果についての結果「まつげエクステの毛は紫外線遮蔽率99%」というのが正しい表現です。
(病気説明監修:眼科専門医 医学博士 廣辻徳彦先生)

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